JASURAC|C-RAS 閉鎖循環式陸上養殖とは|C-RASをご存知ですか?

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C-RAS 閉鎖循環式陸上養殖とは

三種類の循環濾過式飼育システム(System Structure)

1. 掛け流し方式(Flow Through System)

養殖や種苗生産などで一般的に行われている飼育は、通常掛け流し方式で行われています。
掛け流し式では、飼育水に使用する用水を海・川等から汲み上げ、使用後の汚れた水は、また海や川へ流されます。単純でお金がかからないやり方です。
しかしながら近年地域によっては、海水や河川の水が汚染されて、飼育に適した用水の入手が困難になると共に、安易な排水による環境汚染等が問題視されています。世界の地域によっては、この掛け流し養殖を禁止したり規制したりし始めています。

2.循環方式(Recirculating Aquaculture System=RAS)

新しい用水を出来るだけ少なくする飼育方法として、循環方式という陸上養殖があります。システムへの一日当たり給水量の5~10%前後の水を定常的に海や川等から給水しながら飼育水を濾過し循環再利用するもので、給水量に応じた汚水の排水を伴います。給排水量は、濾過能力によって、掛け流し式の数%程度にまで減らすことが出来ます。「循環式飼育」システムの水処理工程を簡単に言えば、次の3つの工程になります。

  • 「スラッジ」と呼ばれる沈澱物(残餌や糞等)をまず取り除く。
  • 水溶性の有機物等を生物膜に吸着・分解させて除去する。
  • 水に溶解している有害なアンモニア態窒素を、硝化細菌の働きで毒性の少ない硝酸まで変換する。

3.閉鎖循環方式(Closed Recirculating Aquaculture System=C-RAS)

これに対して私たちが得意とする閉鎖循環式は、無菌の水道水や地下水から人工海水を作り、「脅威!スプーン1杯の海水」で記したように細菌やウィルスだらけの天然海水は利用しません。しかも、飼育水の入れ替えや定常的な給排水を行わずに、飼育水を循環再利用するものです。このシステムは、飼育水を高度に浄化することにより完全循環を行い、蒸発した分の水量の調整や種々の作業操作等により系外に失われた分のみの注水で、換水を必要とせず、環境負荷=環境汚染を全く与えない理想的な養殖システムなのです。循環濾過方式の基本構成としては、次のものがあります。飼育水槽、物理濾過、生物濾過(硝化、脱窒)、溶存二酸化炭素の除去、pH調整、溶存酸素制御、水温制御、流量制御、殺菌です。但し、この中には、飼育密度によっては必要の無いものもあれば、一つの装置で二つの機能を持たせることが可能なものもあり、それぞれに幾つかの処理方法があるためシステムは多様なものになります。